裁判事務
司法書士の裁判に関する業務範囲は簡易裁判所の代理業務のみです。
「貸したお金を返してもらえない」「家賃を払ってもらえない」…等
簡易裁判所への訴えに関する代理業務や
本人が訴訟の申立をする際の訴状作成等のお手伝いをいたします。
通常訴訟
平成15年4月に施行された改正司法書士法により簡易裁判所における訴訟代理業務が認められるようになりました。司法書士が訴訟代理人となれるのは、日常生活のトラブルを取り扱う簡易裁判所における訴訟行為のみで、金額は140万円までということになっています。
主な取り扱い事例
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クレジット・サラリーマン金融(クレサラ事件)
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売り掛け金返還請求
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敷金返還請求
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滞納家賃支払い請求
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訴訟前の和解(即決和解)の申し立て
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裁判外での和解証書・合意証書の作成
訴訟手続の流れ
訴状を裁判所に提出
訴状には、請求の趣旨・原因のほか、請求を理由づける具体的な内容を記載する。
訴訟原因を裏付ける証拠(エビデンス)や本人確認書類など必要となる書類一式を添付する。
そのほか、訴状製本1通、被告の数だけの副本等が必要になります。
訴状を被告に送達する
それぞれの被告(相手方)に訴状が送達される。
口頭弁論期日の指定
【答弁書の提出】
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請求の趣旨に対する答弁。
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訴状に記載された事実に対する認否。
口頭弁論期日
【事件の呼出し】
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原告:訴状に基づき、請求の趣旨・原因を陳述する。
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被告:答弁書に基づき陳述する。
口頭弁論終結
【判決言渡】(終局判決)
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判決正本:当事者双方に送達。
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控訴の申立ては、判決送達の日から2週間以内に行う。
少額訴訟
少額訴訟とは
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債権が60万円以下の金銭支払請求に限られます。
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1日で審理が終わり直ちに判決が言い渡されます。
少額訴訟の制限とは
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少額訴訟には回数の制限があります。同じ当事者が同じ裁判所で利用できる回数が年10回に制限されています。
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被告が反対すると少額訴訟は起こせません。
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被告には少額訴訟によるか通常訴訟によるかの選択権が保障されています。
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少額訴訟の判決に対しては控訴できません。異議申立てが認められています。
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異議申立ては判決書または調書の送達を受けた日から2週間以内にしなければなりません。
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異議申立てがされた場合は、訴訟は口頭弁論終結前にもどり、同じ簡易裁判所で通常裁判となります。
少額訴訟手続の流れ
訴状の提出
訴状の提出先は債務者の住所地の簡易裁判所です。
訴状は簡易裁判所が用意した書式を使用すると定型フォームになっていますので便利です。
訴状を被告に送達する
【訴状の送達】
それぞれの被告(相手方)に訴状が送達される。
口頭弁論期日の指定
訴状が受理されると口頭弁論の期日が指定される。
その際、原告には説明書が、被告には訴状副本が送られます。
答弁書の提出
被告は主張したいことがあれば、簡易裁判所に答弁書を提出します。
答弁書も訴訟同様、簡易裁判所が用意した書式を使用すると定型フォームになっていますので便利です
証拠書類の提出
提出できる証拠は、当日に取り調べることができるものに限られます。
証人も当日に法定に在廷させられる者に限られます。
口頭弁論終結
【判決言渡】(終局判決)
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判決正本:当事者双方に送達。
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審理は一日で結審し、即時判決が下されます。
法廷の審理
法廷には裁判官の他、民間から選ばれた調停役の司法委員と書記官が出席します。東京簡易裁判所ではラウンドテーブルを囲んで裁判官もスーツという雰囲気の中で審理が進められます。
裁判官が少額訴訟について注意点を説明したあと、争点整理をして、当事者の主張を聞いたり証拠調べをします。和解できるものについては和解の勧告をし、和解できなければその日のうちに判決を下します。
少額訴訟の判決では、3年を限度に分割支払を認めたり、支払猶予を認めたりします。また、請求を認めた判決には仮執行宣言が付され、これを債務名義として強制執行ができます。
one point
そもそも少額訴訟は本人訴訟を予定しているものであり、弁護士や司法書士は必要としないことを理想とするものです。しかしそうはいっても訴訟であることには違いないので訴状の要件を満たした記載はもちろんのこと証拠や主張についても法律判断が要求されます。
その請求が少額訴訟に適したものであるかどうかよく検討することが必要でしょう。
自分で考えることは、やはり、難しいと思う方や時間がない方などは当事務所で受任いたします。